石器時代住居跡尾平野洞窟
( せっきじだいじゅうきょあとおびらのどうくつ )
指定者 |
県 |
種別 |
史跡 |
指定年月日 |
S32.12.15 |
所在地 |
都城市安久町字下尾平野 |
尾平野洞窟は、都城市安久町に所在する洞窟(洞穴)遺跡である。鰐塚山地の南部を流れる安楽川により切り開かれた渓谷の南側斜面にあり、北を向いて開口している。洞窟周辺の地質は、シラスと弱溶結凝灰岩である。洞窟の間口は約7m・奥行きは20mを測り、大きく2箇所の空間が広がっている。昭和11年に発見されて簡単な調査がなされた。
洞内に堆積したシラスの下からは、縄文時代後期~晩期(今から4500~3000年前)の縄文土器や骨銛、髪針、獣骨片が多数出土している。獣骨片からは、イノシシ・シカ・カモシカ・ノウサギ・ニホンザルなどの動物種が確認され、解体した際の痕跡も認められている。
これらの遺物は、南部九州における縄文人の狩猟生活や当時の環境を解き明かす上で重要な意味を持つだけでなく、当時の縄文人達が尾平野洞窟を日常的な生活の場、もしくは狩猟の際のキャンプ地として利用していたことを物語っている。
現在、危険防止のため立ち入りはできない。