題名にあるパーシパエーとは、太陽神ヘリオスとペルセイスとの娘である。パーシパエーはクレタの王ミノスの妻となり、多くの子を生んだ。ポセイドンはミノスが牡牛(おうし)を犠牲に捧げなかったことに対する罰として、妻パーシパエーが牡牛に恋をするようにした。この場面は、木製の牝牛(めうし)の中にパーシパエーが入り、牡牛を待っている状況を描いたものである。画面では木製の牝牛を骨で表し、その中に牡牛を待つパーシパエーが描かれている。この作品は
[銅版画]である。
[ニードル]で描かれた線は単調であるが、一本一本の線が確実に
[腐刻](ふこく)されている。