榎原神社楼門は、境内と門前町を結ぶ位置に建立されている。
建立時期については文化13年(1816)銘の棟札があり、また天保年間(1830~1842年)再興の棟札も備わるなど県下で類例のない古い楼門である。
形式は、三間一戸八脚門といい、正面三間のうち両脇に仁王像を配し、その上部棚に随神像を安置して中央の間を参詣用通路とした門である。建築様式は、和様の手法に禅宗様の細部意匠を加えて華やかに飾る手法を取り入れている。また、礎石に地場産の石材を利用するなど技術的に独自の発展が見られ、工法技術の変遷を知るうえで貴重な遺構である。