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猪崎鼻の堆積構造

 ( いざきばなのたいせきこうぞう )

指定者
種別 天然記念物
指定年月日 H26.3.18
所在地 日南市大字下方字小谷5117番・隅谷字飯崎甲2323番、2324番
 猪崎鼻では、日南層群とよばれる4000万年~2200万年前の地層に深海底の様々な堆積構造、生痕(せいこん)化石が見られる。堆積構造は、地層が形成される際、海底での土砂の動きを記録しており、猪崎鼻では、その種類の多さと保存の良さから特別な場所として国指定天然記念物となった。
 なかでも、フルートキャストと呼ばれる堆積構造は、地震などをきっかけに土砂が海底を流れ下った際にできたもので、その規模と保存の良さ、美しさは他に類を見ないとされている。
 このほか、堆積後の水流や砂泥の移動によってできたコンボリュート構造・皿状構造・ロート状構造などの堆積構造がみられるとともに、生物の巣穴や生活痕などの生痕化石が多数観察でき、当時の底生生物の生態に迫ることのできる場所となっている。
 猪崎鼻の生痕化石は、その種類の豊富さや個々の生痕化石の多様な出現状況から当時の海底に生活していた生物の生息状況を考えるうえで貴重な情報を提供している。
このように猪崎鼻に見られる多種多様な堆積構造・生痕化石は、日本列島の生い立ちに関する重要な情報を知ることができ、当時の古環境や堆積の仕組みを知る上で大変貴重な場所である。

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