- Q自宅の庭のイヌマキ(ヒトツバ)に、幼虫がたくさんいて、バリバリ食べています。この幼虫(写真1)は何の幼虫でしょうか。
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A
この幼虫はキオビエダシャクという蛾(が)の幼虫です。キオビエダシャクは、その名の とおり黒い体に「黄帯(きおび)」を持つ美しい蛾です(写真右)。幼虫はオレンジの模様のあるシャクトリムシで、5cmほどに成長します。日本では奄美大島以南でしか生息できない蛾と考えられていましたが、2000年夏に、鹿児島県開聞町で生息が確認されました。それ以来、南薩地方で毎年発生し、蛹で越冬するようになり、現在では鹿児島県全域と宮崎県南部まで生息範囲を拡大しています。幼虫はイヌマキの葉を食害し、激しい場合は枯死させることもあります。キオビエダシャクの大発生は、過去(昭和中期)に1度起こりましたが突然姿を消しています。今後の動向が気になるところです。
- Q宮崎神宮の森で頭が緑色のハトを見ました。キジバトではないようですが何という鳥でしょうか。
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A
これはハト科のアオバトという鳥で平野から山地の森に広く生息しています。
宮崎県では1年を通して見ることができます。群れで行動することが多い鳥で、夏場は海岸の岩場等に海水を飲みに来ることが知られています。宮崎神宮の森では冬場に観察されることが多いようです。「オーアーオー、アーオー」と大きく特徴のある声で鳴きます。 - Q街中のビルの屋上にきれいな声でなく鳥がいました。全体に青い色ですがおなかオレンジ色をしています。何という種類の鳥ですか。
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A
これはイソヒヨドリという鳥の雄で、宮崎県内の海岸付近の岩場や港周辺で1 年を通して見ることができます。名前には磯場の「イソ」がついていますが、質問にあるように、最近は街中のビルの建ち並ぶところなど内陸部でも観察されます。名前にはヒヨドリとついていますが、ヒヨドリの仲間ではなく、ツグミの仲間の鳥です。雌(写真右)は雄と違って体全体が茶褐色で鱗のような模様が見られます。
- Q写真の昆虫は何の仲間ですか。新種ではないでしょうか。こんなに大きい虫は生まれてはじめてみました。
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A
サツマゴキブリといい、マダラゴキブリの仲間です。体長35㎜あるのでメスでしょう。オスは25㎜程度です。成虫は朽ち木の樹皮下にひそみ、卵胎生です。
- Q写真の昆虫はいったい何でしょうか?新種ではないでしょうか。もしかして、宇宙からの贈り物でしょうか。
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A
ジンガサハムシといいます。体長は9㎜くらいで、生きているときは背面は金色の光沢が強いようです。背面の周縁部は透明で、中心部から4方向にかけては黒くなっていることもあります。ヒルガオを食草にしています。
- Q自宅の庭で写真の昆虫を見つけました。何という昆虫ですか?
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A
ヤシオオオサゾウムシといいます。東南アジアなどに分布しているゾウムシの仲間で、1975年に沖縄県でも見つかりました。ヤシ類に大きな被害を与える害虫です。近年、宮崎県にも侵入して街路樹のフェニックスや他のヤシ類などに被害を与えています。
- Q干潟の生きものに、はさみの大きなシオマネキというカニがいると聞きました。どのような仲間なのでしょうか?
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A
背中のたての長さは21㎜、横の長さは33㎜程度あります。写真のように大きなハサミを持つのはオスです。メスは左右のハサミの大きさは変わりません。眼柄(突き出た目)が長いのも特徴です。河口の干潟の泥が多い部分を好み、生息域は極めて狭く、河口流域の改修や干潟の埋立、上流部からの生活排水による汚染により減少しています。県のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
- Qヤマカガシらしきヘビを見ました。ヤマカガシは毒を持っていると聞いたのですが本当ですか?
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A
ヤマカガシには有毒物質を出す場所が2カ所あります。1カ所は首のつけ根の部分にある「頸腺(けいせん)」です。ここからでる黄色い液体が目や傷口にはいると障害を起こします。もう1カ所は上顎(うわあご)の奥にある「デュベルノイ腺」です。これは唾液腺なのですが、一番奥の歯で噛まれるとこの腺からの分泌液が注入されます。出血性の毒なので十分注意する必要があります。
- Q写真のヘビを見つけました。何というヘビですか?生態についても教えてください。
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A
シロマダラというヘビです。体長は大きくなっても70cm程で、子ヘビの頃の体色はもっと白く、黒い模様がはっきりとしています。森の中に住み、夜行性でトカゲや他のヘビを捕らえてエサとしています。夜行性のため、あまり人目に触れないヘビです。
- Q巣から落ちた鳥のヒナを見つけました。どうしたらよいでしょうか?
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A
結論から言えば「そのままにしてください」です。ヒナの近くには必ず親鳥がいるはずです。人が近くにいれば親鳥も近づきませんが、人がいなくなれば親鳥がやってくるはずです。ヒナをそのままにすることはかわいそうに思えますが、ヒナにとってはそれが1番良いことなのです。
- Qタマムシを飼いたいのですが、どうすればいいのですか?
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A
タマムシの幼虫はサクラ、エノキ、ケヤキ、カシなどの弱った部分から侵入し、朽ち木の部分を食べます。成虫はそれらの葉を食べます。水が抜ける20cmくらいの深さの箱を用意し、木くずを15cmほど敷き、その上に朽ち木の固まりやサクラなどの葉を用意するといいでしょう。表面が乾かない程度、霧吹きで水分を与えましょう。
- Qこれはオオクワガタでしょうか? 同定をお願いします。
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A
間違いないようです。5~9月に出現します。雑木林のクヌギ・カシ類などの大木の樹液に集まります。幼虫はクヌギ・サクラなどの朽ち木で、越冬し、3~4年目に出現します。
- Q初めて見ました。これは何ですか? 大きくて、きれいで、すごいですねー。
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A
オオミズアオといい、ガの仲間です。情報室に標本があります。春に出現するものは青白色で、夏型は黄色が強くなります。年2代営みます。食草はモミジ、アンズ、ウメ、サクラ、ナシ、リンゴ、ハンノキ、アセビ、ザクロなどです。
- Qこれは何ですか?トンボなのにチョウみたいな「つの」があります!
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A
ツノトンボといいますが、トンボの仲間ではなくてカゲロウに近い種類です。顕著な触覚によって一見で区別できます。幼虫は「アリジゴク」に似て食虫性です。5月から9月にかけて各地に見られます。
- Qタガメはどんな生きものですか。どんなところにすんでいるのですか?
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A
体長は48~65mm。日本最大のカメムシの仲間です。大きな前足でメダカ、オタマジャクシ等を捕らえ、体液を吸います。昔は水田や湖沼の水際の草などにつかまっている様子が見られましたが、現在は非常に減少しています。
- Q博物館周辺の神宮の森で、写真のようなきれいな虫を見つけました。この昆虫は何ですか?
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A
この昆虫はサツマニシキというガの仲間です。大変きれいなガで、博物館へよく問い合わせのある昆虫です。幼虫はヤマモガシという植物の葉をエサとします。神宮の森にはヤマモガシがあるので、時々見つかるようです。
- Qワニみたいなトカゲをつかまえました。この生きものはいったい何ですか?
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A
これはヤモリです。トカゲと同じは虫類です。夜行性のためあまり見る機会はありませんが、人家周辺にも生息しています。人家や外灯に集まる小さな昆虫などを餌にしています。指は特殊な構造をしていて、壁や天井、ガラス窓などを自由に移動できます。
- Q水田でウーパールーパーを小さくしたような生きものを見つけました。いったい何ですか?
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A
これはイモリの幼生(子ども)です。顔の横にあるものは呼吸をするための鰓(えら)で、外鰓(がいさい)といいます。成長するとえら呼吸から肺呼吸へと体の仕組みが変わるので、外鰓はなくなります。宮崎県では地域によってはイモリと同じ両生類のオオイタサンショウウオの幼生も、水田などで見つけることが可能です。