- Q最近、秋になると道端や田んぼの脇などに大きなイネ科の植物が目につくようになりました。あれは何ですか?
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A
スズメノヒエの仲間でタチスズメノヒエという帰化植物(もともと日本にはなかった植物)です。草丈が70cmから150cmほどになり、他のスズメノヒエの仲間と比べると大型です。原産地は南アメリカで世界各国に帰化しています。日本では1958年に福岡県の北九州市の埋め立て地で初めて確認されました。
- Q山に行ったら、ウインナーみたいな赤い実を付けている50cmほどの植物を見かけました。食べられますか?
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A
ツチアケビというラン科の植物です。ツチアケビは菌から栄養をもらって生活しているため、葉緑体がなく、葉がありません。しかし、花が咲き、赤い実をつけるので種子植物です。赤い実がアケビに似て、土から直接生えているように見えるためにツチアケビという名前がつきました。おいしそうですが、食べられません。
- Q普通は丸い茎をしているのに、平たくなって、花が異常にたくさんついている奇妙な植物を見つけました。どうしてこんなことになったのでしょうか?
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A
帯化と呼ばれる現象により、茎が平たく花がたくさんついたのです。生長点が物理的または化学的刺激(虫が食べたとか、薬品がついたなど)を受けたときに、異常な分化が行われることがあります。いろんな花で起きますが、ユリの花はよく話題になります。写真はノアザミの帯化現象です。
- Q山で見つけた写真の木の実を割ったところ、果物のキューイにそっくりでした。キューイの原種でしょうか?
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A
サルナシといって、猫が大好きというマタタビの仲間です。サルナシは県内に3種類あります。キューイみたいに茶色のものがシマサルナシ、緑色をしているものにはサルナシとウラジロマタタビがあります。3種ともよく熟れたものはとてもおいしくなります。
- Q海の近くの生け垣に写真のようなイチジクにそっくりな大きな実がなっていました。これはなんでしょうか?
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A
オオイタビという植物です。イチジクの仲間ですが、つる性で、木や岩にからみつきます。よく似た種類にイタビカズラとヒメイタビがあります。この3種の区別はちょっと難しいですが、オオイタビは、海岸近くに生え葉の先が丸っこいので、割と簡単に区別できます。
- Q山で野生のブドウの実を見つけましたが、食べられますか?
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A
宮崎県で、普通に見られる野生のブドウは、ノブドウとエビヅルの2種類です。エビヅルは食べられますが、ノブドウは食べられません。両者の一番の区別点は葉の裏に白や茶色の綿毛があるかどうかです。毛がある方が食べられます。写真は食べられるエビヅルの葉の裏側です。山奥にはサンカクヅルというブドウがあり、これも食べられます。県内に普通に生えるアオツヅラフジ(有毒)の実もブドウに似ていますので、気をつけてください。
- Qたてにさけるキノコは食べられると聞きますが本当ですか?
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A
ドクツルタケ
きのこが食べられる、食べられないについてはいろいろな俗説があります。宮崎県でよく聞く俗説は「たてにさけるキノコは食べられる」です。確かに、食べられるキノコは、たてにさけるものが多いことは事実です。しかし、写真のドクツルタケのように1本で致命的な毒をもつきのこもきれいにたてにさけます。また、県内でも発生し、日本でもっとも中毒例が多いシイタケに似たツキヨタケもたてにさけます。
他にも「虫が食べているきのこは食べられる」「ナスと煮ると食べられる」なども誤った説です。知らない野生キノコは絶対に食べないようにしましょう。 - Q晩秋にヤマザクラの開花が見られたが、どうしてか?
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A
ヤマザクラの開花は地域によって少しことなりますが、概ね3月から4月にかけてです。花芽は秋にできて冬になると冬眠(休眠)しますが、途中に暖かい日が続くと目を覚まして開花することがあります。もちろんその分、翌春の開花は少なくなります。堀切峠近くでは毎年秋の開花が見られます。
- Qセイタカアワダチソウは今でも各地にはびこっているが、花粉症問題は大丈夫か?
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A
セイタカアワダチソウは北アメリカが原産の帰化植物で、10月から11月にかけて黄色い花をつけます。ひと頃花粉症の原因になると騒がれましたが、虫媒花(昆虫が受粉を媒介する)であることから花粉は少なく、問題はないようです。
それよりも問題はオオブタクサで、アメリカではかなり問題を起こしています。宮崎県でも大きな群落をつくっています。 - Qオニバスが絶滅危惧種と聞きましたが、オニバスというのは子どもを葉っぱに乗せることができるという、あの植物のことですか?
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A
オニバスは水生植物で、宮崎県にも生えていますが、全国的に絶滅の危機に瀕しています。葉の直径は1mを超え、日本で最大の葉を持ちます。葉に子どもを乗せることができるというのはオオオニバスといって、アマゾンなどに生えている植物です。こちらは、葉の縁にへりがあるので、少々の重さのものを乗せても沈みません。しかし、オニバスにはへりがないので、物を乗せるとすぐに水が入り、沈みます。
- Q最近野山でテッポウユリみたいなのを見かけるようになりましたが、あれはテッポウユリでいいのでしょうか?
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A
真夏の8月ごろ、道ばたや道路近くの法面(のりめん)などで、白いユリをよく見かけるようになりました。遠目にみるとテッポウユリのように見えますが、近づいて見ると、葉は細く、つぼみは赤紫に色づいて、少し汚く見えます。これはタカサゴユリという種類です。外国から入ってきたもので、日本古来のものではありません。繁殖力が強く、各地に広がり始めました。きれいな花ですが、問題です。