日向のあけぼのに生きる
- はるか2万年前以上に遡る南九州の歴史は、発掘調査の蓄積や著しい諸科学分析の進展によってようやく明らかになりつつあります。火山の噴火など自然の驚異に怯えながらも自然とともに生きた旧石器から縄文、弥生、古墳時代にわたる古代宮崎に生きた人々の歴史を、出土資料やレプリカ、実物大の模型などで紹介します。
花びら形住居
弥生時代後期から古墳時代初めにかけて、宮崎平野を中心に見られる花びら形住居は、全国的にもめずらしい南九州独特の竪穴式住居です。花びらの部分は土の壁で仕切られて、小さな部屋になり、物置や石器製作の作業場、時にはベッドとして使用されました。
日向人の弥生土器
宮崎の代表的な弥生土器(中溝式土器)
宮崎市堂地東遺跡出土
口縁が大きく開き、刻みのある粘土の帯がめぐる煮炊き用の甕型土器です。宮崎県から出土する弥生土器の典型です。
縄文のバーベキュー -集石遺構-
今から、9000年前の縄文時代早期に盛んにおこなわれた石蒸料理のようすを再現したものです。地面を直径1mほどの円形に浅く掘りくぼめ、そこに平たい石を敷いて火を焚き、さらに焼けた石を放りこんで獣や鳥の肉、いも類を蒸し焼きにしました。お祭りのためのごちそうを調理したのかもしれません。
地下式横穴墓
紀元5世紀前半から6世紀にかけて、南九州地方にみられる地下につくられた古墳です。地表には低い盛り土がきづかれるものもありました。
地下式横穴墓は、地表から深さ2mほどのたてあなを掘り、そこから横に掘り進んで遺体をおさめる玄室といわれる墓室をつくります。
墓室は切妻屋根の家形にしたり、ドーム形につくります。この実物大の模型は、亡くなるたびに掘り返し、埋葬が繰り返される追葬のようすを再現しています。
国宝「金銅馬具」
西都市百塚原古墳群出土
原資料・五島美術館所蔵
竜の透かしをほどこした鞍をはじめ、金メッキされたきらびやかな装飾馬具によって、所有者の権力の大きさを想像することができます。透かし技法などにみる優れた細工から、大陸で製作されて、日本へもたらされたものと考えられます。
古墳時代のよろい
古墳時代のよろいは、三角形や帯状に切った鉄板を皮でとじたり、鋲で留めて作られています。
宮崎県内では、地下式横穴から出土することが多いため、腐食が少なく当時の状態をよく留めています。これらのよろいは、作り方に地方色がみられないことから、中央の工房で製作された後、地方に配布されたものと考えられています。
- 見どころ
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弥生土器の復元に挑戦しよう!
鳥の絵が描かれた弥生時代の壺型土器の模型を、もとの形に復元することができます。破片は、磁石の力でパチパチくっつきます。何分でできるかな?
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古墳を空からながめてみましょう!
西都原古墳群や持田古墳群など、宮崎県内の代表的な古墳群をボタンで選び、その解説とヘリコプターから撮影した空撮映像をVTRで見ることができます。
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弥生ちゃんのくらし(実物大の花びら形住居復元模型)
今から約1900年前、一ツ瀬川近くの台地の村に住んでいた弥生時代の少女、弥生ちゃんが、当時の食物や花びら形をした住居の中のくらしについて、かわいい声でやさしく教えてくれます。(音声解説)
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地下につくられた古墳時代のお墓(実物大の地下式横穴墓模型)
南九州地方独特の、地下式横穴墓(ちかしきおうけつぼ)の内部を再現した模型です。頭蓋骨はどんな色に塗られていますか。遺体といっしょに入れられた品物(副葬品)にはどのようなものがありますか。よーく見てみましょう。
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古墳時代人の顔
ボタンを押すと、復元された約1500年前の古墳時代人の顔が浮かび上がってきます。
渡来人の影響が少なく、縄文人の特徴を残した南九州の古墳時代人の顔はどんな顔だったのでしょうか。 -
古鏡と埴輪の世界・古文書の世界(パソコン検索)
埴輪と青銅鏡の歴史や種類について、好きな項目を選びながら楽しく学ぶことができます。また、「古文書の世界」では、展示してある古文書などについてさらに詳しく、易しく解説しています。