宮崎の森
- ここでは初夏の照葉樹林を再現しています。自然が豊かな照葉樹林には土の中から木の上までたくさんの生き物たちが生活しています。体験や映像をとおして、照葉樹林にすむさまざまな生き物たちと出会ってみませんか。
照葉樹林とは
葉が厚く、葉の表面が光る特徴をもったタブ・シイ・カシなどの木が照葉樹で、これらの木を中心につくられた林が照葉樹林と呼ばれます。日本では、東北地方沿岸部から沖縄まで分布します。
宮崎県には、標高1000m以下に広く分布し、低地から標高が上がるにつれてタブ林・イチイガシ林・ウラジロガシ林と森を構成する植物が変わります。
ほかの植物から養分をよこどりする植物
ほかの植物から養分をよこどりして生活する植物を寄生植物といいます。
宮崎県の照葉樹林にはヤッコソウ・キイレツチトリモチ・キヨスミウツボなど全ての養分をよこどりする全寄生植物と、ヒノキバヤドリギ・オオバヤドリギなど緑色の色素をもち、自分でも栄養分をつくる半寄生植物が見られます。
森のしくみ
照葉樹の森の植物たちは、1年中緑の葉をつけ、活動が休まることはありません。森の中の木や草は高い木に守られ、弱い光でも生きられる植物が多く生活しています。森は、動物にとってもすみかや餌場であって、森の中の生き物たちはお互い複雑な関係をつくって生活しています。
照葉樹林シアター
「夏の森の一日」の映像では照葉樹林に生きる昆虫などの様子をムササビのムーちゃんが案内してくれます。
(子ども用プログラム)
「命をはぐくむ照葉樹林」では動物や植物の1年を通した照葉樹林内の様子を知ることができます。映像は毎時10分よりAを、毎時40分よりBが流れます。ただし、時間が変更になることがあります。
照葉樹林に育まれた文化
東アジアの照葉樹林帯には多くの民族が住んでいます。その生活文化の中には多くの共通の文化要素が存在しています。カシの実の水さらし、茶の葉の飲用、マユ(カイコ)から絹をつくるなどは照葉樹林に育まれた文化といわれています。
ブナの森
宮崎県でブナの森ができる場所は、標高1,000m以上の山地帯で、その面積は約900km2であると考えられています。ところが、現在では約135km2ほどしか残っていません。
日本のブナの森の多くは落葉する樹木ばかり集まっていますが、宮崎県のブナの森は日本の一番南に位置し、シキミなどの照葉樹林の植物も見られるのが特徴です。ブナの森にはカモシカをはじめ、ブナの森を中心に生活するたくさんの動物たちが生活しています。
- 見どころ
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土の下の動物たちを見てみよう
土の下にすんでいる動物は、植物や動物の死がいなどを分解する過程に深く関わっているものが多く見られます。
これらの動物は、バクテリアや菌類とともに自然の中の食う食われるのつながり(食物連鎖)において大きな役割を果たしています。この動物たちを顕微鏡で見てみましょう。 -
足跡クイズに挑戦しよう
照葉樹林に生活するタヌキ、ウサギ、シカ、イノシシ、コシジロヤマドリの足跡があります。
さて、どの動物の足跡か考えてみましょう。 -
朽ち木の中の虫を観察しよう
寿命がつきて枯れた木や激しい風雨や人間や動物により倒された木は、いずれは、朽ちて土にかえっていきます。
その朽ち木を利用して生活している昆虫類がいます。朽ち木のトビラをあけてそれらの虫を観察しましょう。 -
森の音クイズに挑戦しよう
森のなかで耳をすますといろいろな音や声が聞こえます。クイズをしながら楽しい音探しをしてみましょう。