宮崎県立美術館
宮崎県立美術館外観 ロビー

コレクション展

当館の収蔵作品を紹介するコレクション展。郷土作家はもちろん、海外の著名な作家の作品も多数紹介しており、
県外から来られたお客様にも大好評をいただいています。コレクション展は年に4回、多彩なテーマを設けて開催します。

休館のお知らせ


県独自の緊急事態宣言の発令を受け、以下の期間休館いたします。
5月10日(月)から5月31日(月)まで
※5月10日と31日は通常の休館日です。

令和3年1期コレクション展

2021年1月9日土曜日から4月6日火曜日まで

観覧無料

名品セレクション −緻密な版画

 宮崎県立美術館では、「郷土出身作家及び本県にゆかりのある作品」「わが国の美術の流れを展望するにふさわしい作品」「海外のすぐれた作品」という3つの柱にそって作品収集を進め、現在約4,200点の作品を収蔵しています。
 ここでは、日本の美術史に大きな足跡を残した国内の作家たちによる作品や、シニャックやピカソなど20世紀の西洋美術を代表する巨匠たちの作品、無意識や夢の世界を描こうとしたシュルレアリスムの作品など、コレクションの中から選りすぐりの名品を、毎回テーマを変えて展示しています。
 今回は特集展示として、柄澤斎や小林敬生など国内の版画家たちによる、多様な技法を駆使した緻密な版画の世界を紹介しています。多彩なコレクションの魅力をお楽しみください。

山元春挙「霧島連山」

山元春挙
「霧島連山」

宮崎の美術 −春の息吹

 明治時代、日本の絵画は急激な社会の変化の中で転換期をむかえます。西洋の表現も取り入れられ、新しい「日本画」を求めた模索が始まりました。この時代に活躍した本県出身の日本画家として、伝統的な狩野派の流れを汲む山水画で力を発揮した山内多門がまず挙げられます。また、同時代に秀麗な美人画で認められていたのが益田玉城です。
 一方、本県出身の洋画家では、太い輪郭線と鮮やかな色彩で独自の画風を追求した塩月桃甫が、大正5年に文展(文部省美術展覧会)に入選しています。また、力強い筆づかいで生命力あふれる女性像を描いた山田新一などが中央画壇で活躍しました。
 今回は、宮崎県を代表するこれらの作家の作品を紹介するとともに、「春の息吹」をテーマとしたコーナー展示も行います。
 本県出身の作家やゆかりの作家による作品の魅力をお楽しみください。

中澤弘光「早春」

中澤弘光
「早春」

生誕110年 ロベルト・マッタ

 「最後のシュルレアリスト」と呼ばれるロベルト・マッタ(1911-2002)は、自己の内的世界を激しく、ダイナミックに表現した作家として知られています。
 マッタの作風の特徴は、オートマティスム(自動記述)によるスピード感溢れる線と複雑な色彩の階調によって描かれた、宇宙を思わせるような空間表現にあります。切り子面のような形の空間の中には、複数の地平線や消失点があり、人のような奇妙な生き物たちはどこかユーモラスな動きをしています。シュルレアリスムの創始者であるアンドレ・ブルトンはマッタのことを「瑪瑙の中に身を投じた人」と言い、「遠近法を革新する」新しい空間表現を高く評価しました。
 ここでは、暗い画面に不思議な光が飛び交い、強烈な印象を放つ大作「吸引の芽」と、マッタの世界観が凝縮された4つの版画集から選りすぐりの作品を一堂に集めて展示しています。ロベルト・マッタによる迷宮のような空間表現をお楽しみください。

 

瑛九の言葉

 宮崎県出身の画家、瑛九(本名:杉田秀夫)は、今年で生誕110年を迎えます。生涯を通じて独自の表現を求めた画業のほかにも、文筆活動や、美術団体の結成など、多方面で活躍しました。
 瑛九が、画家を目指して絵を描き始めたのは、14歳の時です。16歳からは美術評論やエッセイなどを新聞、雑誌に投稿し、多数掲載されるなどしていました。また、生涯を通して家族や美術仲間、友人たちには数多くの書簡を送っています。それらの中で、瑛九は近況報告や技法のアドバイスなど日常的なやりとりだけではなく、人生や芸術に対する考えや、自身の悩みなど様々なことについて書き残しています。
 ここでは、瑛九が多彩な画業のかたわら発し続けた折々の言葉とともに、試行錯誤を繰り返しながら制作した作品をご覧ください。

瑛九「誕生」

瑛九
「誕生」

形へのアプローチ

 抽象的でありながら生き物や機械にもみえる形。作家はどのような考えを背景に発想し、形にアプローチしたのでしょうか。
 バラは、光、速度、運動などを新しい時代の美として直感的に捉えようとした未来派の一人でした。手の動きの軌跡をしなやかな曲線として捉え構成しています。
 アルプは、ダダやシュルレアリスムに参加し、自由で無垢なイメージを求めました。まるでそれ自体が生命のようにも感じられる、単純で大らかな有機的形態を表しました。
 ポモドーロは、極限まで磨き上げられたような抽象彫刻に感銘を受けるも、完全な形はもう必要ではないと感じ、幾何学的な立体を切り裂き、複雑で記号や機械のような凹凸を垣間見せる神秘的な形を表しました。
 3人の作家によるそれぞれの形をお楽しみください。

アルナルド・ポモドーロ「球体をもった球体」

アルナルド・ポモドーロ
「球体をもった球体」

関連イベント

学芸員によるギャラリートーク(参加無料)


展示の見所や作品について、分かりやすくお話しします。
どうぞお気軽にご参加ください。

日時 内容 場所
4月18日(日)
14:00〜 30分程度
国内外の名品
−ロベルト・マッタを中心に
展示室1、2
5月3日(月・祝)
14:00〜 30分程度
瑛九の言葉 瑛九展示室

みやざきデジタルミュージアム
コレクション展で展示している当館収蔵作品の画像や解説等(一部)がご覧になれます。

名品セレクション
−緻密な版画
山元 春挙『霧島連山』
須田 国太郎『青島遠望』
ポール・シニャック『サン・トロペの松林』
ピエール・ロワ『旅』
柄澤 齊『バベル』
宮崎の美術
−春の息吹
塩月 桃甫『舞子』
山田 新一『フランソワーズ』
吉田 敏『花』
益田 玉城『花盛り』
中澤 弘光『早春』
生誕110年
ロベルト・マッタ
ロベルト・マッタ『マッタについて(T)』
ロベルト・マッタ『女はすべてこうしたもの(1)』
ロベルト・マッタ『吸引の芽』
瑛九の言葉 瑛九『誕生』
瑛九『ギターを弾く少女』
瑛九『労働』
瑛九『みづうみ』
瑛九『春』
形へのアプローチ ジャーコモ・バラ『ボッチョーニの手の力線』
ジャン・アルプ『視聴覚の形態』

令和3年度のコレクション展
※内容等につきましては、都合により変更する場合があります。

第1期

名品セレクション
−緻密な版画
宮崎の美術
−春の息吹
生誕110年
ロベルト・マッタ
 瑛九の言葉
形へのアプローチ

 

山元春挙、ボナールなど国内外の巨匠が描いた風景画の名品に加え、柄澤齋や小林敬生ら国内作家による版画作品を紹介します。
宮崎県を代表する塩月桃甫や山内多門などの代表作とともに、春の風景や花々を描いた岩下資治、中澤弘光らの作品を紹介します。
シュルレアリスムのグループで活躍したロベルト・マッタ。2021年に生誕110年を迎えるマッタの油彩や版画をまとめて紹介します。
新聞などに公表されたものから私信まで、瑛九の様々な年代にわたる言葉を、同時期の作品とともに紹介します。
作家がテーマとする形に迫るための発想や背景にある考えなどに着目し、アルプやポモドーロらによる抽象彫刻を紹介します。

令和3年4月10日(土)
〜6月22日(火)

第2期

たのしむ美術館

 

子どもから大人まで、誰もが気軽に作品鑑賞を楽しめる「たのしむ美術館」。今年は、ピカソやマグリットをはじめ、瑛九、三岸好太郎などによる"名品だらけ"の展覧会です。

令和3年6月27日(日)
〜9月14日(火)

第3期

名品セレクション
−名品にみる瑛九と作家
たち
宮崎の美術
−瑛九と加藤正
没後10年 坂本正直
イタリア現代彫刻

 

生誕110年を迎えた瑛九が感銘を受けたピカソやルオー、関わりの深かったオノサト・トシノブや山口薫らの作品を紹介します。
山内多門、塩月桃甫ら郷土作家の代表作に加え、瑛九と交流のあった串間市出身の加藤正の作品を特集して紹介します。
宮崎県を代表する画家の一人である坂本正直の没後10年を記念し、その作品を特集して紹介します。
当館の彫刻コレクションの中から、戦後イタリア彫刻を新たな具象表現で主導したマリーニやファッツィーニらの作品を紹介します。

令和3年9月18日(土)
〜12月14日(火)

第4期

名品セレクション
−異文化に触れて
宮崎の美術
−屏風の魅力
想像を生む姿
版画家瑛九の仕事

 

南仏の明るい日差しに魅了されたシニャックやデュフィ、メキシコの文化に触れ独自の画風を確立した北川民次などの作品を紹介します。
宮崎県を代表する塩月桃甫、山田新一などの作品とともに、益田玉城や山内多門らによる屏風の作品を特集して紹介します。
イタリア出身のトルッビアーニや宮崎県出身の保田井智之らによる、見る者の想像をかき立てる不思議な姿の彫刻を紹介します。
ほぼ独学の銅版画、刷り師に学んだリトグラフなど、10年足らずの間に生まれた多数の版画にみる瑛九独自の世界を紹介します。

令和3年12月18日(土)
〜令和4年4月5日(火)

 

過去のコレクション展はこちら(PDFファイル 680KB)